本書は、外国企業とビジネス上の契約を結ぶ必要に迫られて、どのように進めれば良いのか?と考えあぐねているビジネスパーソンのために書いた本です。 私が、会社員(日系・外資系)時代の経験を通じて、また、現在ビジネスコンサルタントとして活動する中でお客様と接していて感じてきたことは、「外国企業の契約交渉の仕方」に慣れていないということでした。 自分が買う立場か売る立場かのいかんにかかわらず、また規模の大小にかかわらず、外国(主に欧米)企業は、「言ったもの勝ち」「主張してみてなんぼ」というスタンスが根底にあります。公平性はある程度尊重はしても、自社の提案にご丁寧に相手のことまでおもんぱかるよう条件は自ら進んでは入れてきません。同じ人間だし皆まで言わずとも阿吽の呼吸で何かあったら“甲乙共に誠意を持って協議する”でというような理解や前提はまったく通じません。「欧米企業の契約交渉の文化」を正しく知ろう 本書では、日本企業が外国企業との契約交渉を成功させるために必ず行うべきこと、また、決して行ってはいけないことを、筆者の経験に基づき、できる限り簡単な言葉で書き記してみました。 日本企業が、そうと意識せずに、あるいは良かれと思って、結果的に様々な下手を打つ羽目になり、不本意な契約や取引をせざるを得なかった事例をたくさん見てきました。一方で、日本以外のアジアの国々の企業が、欧米企業との交渉で上手に立ち回り、有利な(さもなければ少なくとも互角な)条件を引き出すのも、目にしてきました。別に欧米企業でなくても、彼らのルールさえ身につけてその上で上手に交渉すれば、目的の条件を引き出すことができるのです。 あなた(の会社)は、外国企業との交渉という名の戦いに勝ち抜く、生き残る準備はできていますか?●本書の構成はじめに第1章 ゲームのルールを知って勝てる戦略を立てる【ここが残念。日本企業の契約交渉でよくある失敗ポイント】【押さえておくべき3つのルール】【交渉段階ごとの必勝ポイント】第2章 取引を始める前の準備 5つのポイント第3章 交渉序盤(顔合わせ・ゴールの共有・初期条件提示)第4章 交渉中盤(議論、交渉が必要な条件を特定し、両社が希望条件を主張)第5章 交渉大詰め(重要項目に関する決断・成約可否最終判断)第6章 契約締結、そしてその先へおわりに●著者プロフィールジーン・オノヅカ(Gene Onozuka / 小野塚 仁)ビジネスコンサルタント。Southern-California English Camp主宰。慶應義塾大学理工学部機械工学科卒業後、NEC、日本AT&T、日本BT、日本ルーセントテクノロジー(現ノキアシーメンス)で、通信機器及び通信サービスの販売、戦略開発、新規事業開発などを行う。2000年末、米クアルコム本社の日系企業向け営業責任者として渡米。日本の携帯電話・インフラメーカー、自動車メーカー及び車載メーカー、通信事業者など向けに、半導体·ソフトウェア製品の販売を主導。2010年から、仕事のかたわら、米国不動産投資を始める。2018年フリーランスのビジネスコンサルタントとなり、日本企業の米国進出、米国企業の日本進出をサポート。2019年にEnglish Camp認定講師となり、20年の在米経験と企業経験を活かした、ビジネスで使える「伝わる英語」の習得を教える英語コーチとしても活動中。